BBCやBOY LONDONを背景に持つデザイナーが表現するUKストリートカルチャー: RUTH PETERSONが国内初登場。



     仮にRuth Petersonの名前を知らなかったとしても、UKヒップホップシーンを席捲する彼女のコレクションを一度は目にしたことがあるはずだ。加熱するストリートカルチャーへのアンチテーゼにインスパイアされたコレクションは早くもSkeptaやTy Dolla $ign、Octavian等数多くの先鋭アーティストから注目を集め、飽和しつつあるストリートファッションに新たな可能性を提案している。


初めに、どのようにしてファッションの世界に足を踏み入れたのか教えてください。

     Ruth: 服を作るということにはかなり小さいころから興味があって、自分のデザインを紙に書いて形にすることに夢中になってた。叔母さんの結婚式があったときもウェディングドレスのデザインを描いたりしてたのを覚えているし、家の整理をしてた時に見つけた11歳のころの日記にも、ショッピングに行ったり、ゲームをしたのと同じように服のデザインをしていたって書いてあったよ(笑) だから服のデザインを考えていなかった記憶がないんだ。

 

趣味としてのデザインからプロのデザイナーになった経緯について

     Ruth: 短大に通ってた頃、学校以外の時間がすごく余っててもったいないと感じたんだ。それで地元の仕立屋で仕事をもらうことにした。そこで実際に服が出来上がるまでのプロセス、パターン製作から縫製までの工程を学んだんだ。
     そのあとフルタイムで働くことになってしばらくして、LondonのKingston Universityを受験してアートとメンズウェアを学んだよ。まさか受かると思ってなかったからびっくりしたよ!

ヒップホップ界隈を中心に早くも支持を獲得していますが、中でも着用の目立つSkeptaやTy Dolla $ignのとの関係性はどのように生まれましたか?

     Ruth: Parisでショールームをやっていた時に、近くにいたSkeptaとBBKクルーをショールームに招待したんんだ。彼はコレクションをすごく気に言ってくれて、そこでLondonのフェスティバルの衣装制作を依頼されたんだ。

     Ty Dolla $ignとの出会いはPAUSE Magazine主催のLondon Fashion Weekで発表したコレクションを彼が気に入ってくれて、次のPAUSEの撮影の衣装担当に指名してくれたんだ。 

コレクションの主なインスピレーションについて教えてください。

     Ruth: どのアイテムにおいてもオーバーサイズのシルエットや、ロゴプリントなどのストリートの要素は外せないね。スポーツウェアとしてではなくて、NikeやStone Islandのロゴアイテムをギャングのシンボルみたいに着ている、昨今のマーケティングによる価値の生み出し方や魅せ方にインスパイアされたんだ。

"ADSA"

     Ruth: ADSAのプリントは、UKのスーパーマーケットチェーン: ASDAのロゴに捻りを入れたもので、架空の広告代理店の名前をイメージしているんだ。学生のころASDAのバッグにランチを入れて登校するのが何より最悪だった、わかるでしょ? だからそういう言わばダサいロゴを、実際に着る事の出来るクールなものに出来たら面白いと思ったんだ。


コレクションの生産で一番大切にしていることを教えてください。

     Ruth: RUTH PETERSONのアイテムは全てMade In the UKで、動物起因の素材は使っていないんだ。ダッグダウンもあえて使用してせずに、プライドを持って、耐久性も高く動物を傷つけない生産に拘っているよ。

以前Urban Outfittersにデザインを盗作されるトラブルがあったと伺いましたが、その時の心境を教えてください。

     Ruth: ハイブランドや有名なブランドに丸々デザインをコピーされたとしても、それを自分のやっていることは間違っていないっていう一種の称賛みたいにとらえたほうがいいかもしれないね。

     色んなところに電話を掛けたけど、スモールビジネスとしてやっている以上、実際に出来ることってほとんどないんだ。でもそういうことがあるって言うことをしっかりと発信する必要はあったし、そういう時に助け合えるクリエイティブのネットワークは素晴らしいと思うよ!

最後に、これからブランドを立ち上げようとしている人へのメッセージはありますか?

     Ruth: 学校では確かに多くのことを学んだけど、自分のブランドビジネスを持つということに関しては手探りでやるしかなかったよ。若手のデザイナーとしてビジネスを回すのは、工場を探したり、実際に生産に入るまでには想像の何倍もの時間がかかるリスクがある。

     それでもルールやテーマの制約に縛られずに、純粋に作りたいものを形にしていくのは楽しいよ! 自分自身を世界にさらけ出すっていう意味では少し緊張するけど、誰かのためではなく自分のためにデザインするほうが自分には向いているかもしれないな。